岡山のご当地グルメを紹介している冊子によれば、昭和30年代に蒜山地方の各家庭でブレイクしたジンギスカン料理がその始まりだったとしています。
そのジンギスカン料理に使う既存調味料をアレンジしながら、それぞれの家庭で主食となり得る焼そばを作る文化がいつのまにか根付いたようです。
その当時、食堂を営む研究熱心な女性店主によって開発された風味豊かな味噌だれを使った焼そばは評判となり、後々蒜山地方に伝わる「ひるぜん焼そば」(2008年に正式命名)となって、ジンギスカンや蒜山(日本)そばなどと並ぶ町おこしの看板メニューとなりました。
その店主が作ったオリジナルの調味だれは結果的に門外不出だったようですが、この美味しい味覚を世に広めるために尽力したのがこの店の常連客だった地元の有志たちです。
あっさりとした独特な焼そばは評判を呼び、現在まで受け継がれてきたみそ味焼そばの伝統はついに本年度、兵庫県姫路市行なわれた全国規模のB級グルメ大会(B-1グランプリ)で日本一の栄冠を勝ち取りました。
昨年のB-1グランプリだった山梨・甲府の鳥もつ煮と並ぶ、王道B級グルメの仲間入りを果たしたのです。
この動きに敏感に察知した私が訪れた店は、街中から離れた郊外にある「やまな食堂」さん。
一見、何の店なのか分からない昔ながら美しいの日本家屋---。岡山空港行きボーイング787のプレミアムシートを半月前に勢いで予約した甲斐もあり、その快適だった余韻も手伝って岡山県の北西部まで疲れもなくたどり着きました。
所在地までの交通ですが、岡山空港からJR岡山駅までの路線バス、そしてJR岡山駅から蒜山高原までの高速バスがあります。
私の場合、全日空(ANA)のホームページ経由の「787就航記念プラン=3日間で7870円」(ANAセールス)という格安プランを使い、岡山空港からレンタカーを使っています。
開店はAM11時からですが、羽田空港を7時30分に発ち9時に着陸した787は計ったかの如く開店5分前に無事到着。空港から1時間30分、晴れてはいましたが途中から雪景色となった峠道は、冬の訪れを間近で感じさせてくれました。
比較的長距離を走るいつものパターンならハイブリッド車を選択するのですが、お得な787プランにはあいにく設定がありません。
アイドリングストップ機能の付いた新しい日産マーチのドライブ感は、小さなクルマにも満足を与えてくれるほどに街中での俊敏性を誇っています。
以前のリッターカークラスとは比べものにならないほどに大きく進化していました。
話しを戻し、いよいよ焼そばとのご対面。温和な若旦那がいる「やまな食堂」さんに一番乗りした私は、ファストフードらしく10分も経たないかくらいのスピードでお膳へと運ばれました。
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こんもりとしたボリューム感のある焼そばは、シャキッと歯ごたえのある蒜山高原産のキャベツと旨味の強いかしわ肉(親鳥)をふんだんに使用しています。
ネットなどの資料ではピーマンやタマネギを使ったレシピも存在するようですが、本来のひるぜん焼そばはベーシックでシンプルなものらしいです。
それぞれの好みも存在するようですが、私はこの店で出された焼そばが元祖に近いものだと直感しました。
人々を惹きつける蒜山ルーツの焼そば。麺大好きの日本人が選んだみそ味仕立ての製法は、洋風ソースを使った香りの強い焼そばよりも具材を十分に活かせます。
日本の古式ゆかしき食文化に「みそ味」のする焼そばは、本来ならば各地にあるべき姿だったのかもしれません。

