自動車製造世界大手のトヨタ自動車は、ソフトウェア世界最大手の米マイクロソフトへ今年一月に長期的な業務提携を打診した。電気自動車やプラグインハイブリッドなどには、IT(情報技術)による車載情報システムがどうしても必要となるためのようである。
コンピュータでは世界一の企業であるマイクロソフトには「アズール」というプログラムが存在する。トヨタはこのプログラムの採用を2012年に控え、次世代テレマティクス(移動体向け通信システム)向けのグローバルクラウドプラットフォーム構築に向けた戦略的提携についての合意を先ごろマイクロソフトと交わしたことをアメリカで発表した。
世界にわたって販売ネットワークを張り巡らすトヨタと世界的企業で各地にインフラを整備しているマイクロソフトは相性も抜群。
クラウドコンピューティング(ネット経由のソフトのやりとり)によってマイクロソフト側から安定した情報技術が得られたら、トヨタにしてみるとまさしく鬼に金棒となろう。
ただ、表側のやりとりは華やかでも各業界の裏側では迫り来る危機感が漂っていた。
マイクロソフトと似通った企業である米グーグルは現在、コンピュータを通り越して自動車産業への興味を示していると情報筋は伝える。
トヨタにしてみればグーグルはマイクロソフト以上に動きが活発であり、冒険心が旺盛なために組みにくい相手に映ったに違いない。
米アップルにも同じことがあてはまるだろう。企業カラーの違いがとんでもないような方向に発展してしまう可能性があるため、提携話に慎重にならざるを得ないのが実情だ。
マイクロソフトは現在、安定した収益源を確保するために懸命になっている。トヨタも現実を見越してライバルたちに差をつけるために早急に世界的ネットワークを構築しなければならない。
だとしたら、マイクロソフトとトヨタ自動車の提携話は自然な成り行きつながるだろう。
このビジネスには我々には知らない奥深さがあるかもしれない。ただ、次世代システムを使うであろう我々からしてみれば、それがどうであっても画期的かつ安定的に情報システムを使えることに越したことはないし、この企業との組み合わせならきっと安心して使わせていただくのだろうと思う。

